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土佐錦魚の基本的な飼育方法 夏〜秋編

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土佐錦魚の基本的な飼育方法 夏〜秋編

四季の飼い方 夏〜秋編

選別時に残すコツは、上手に真っすぐ泳げる魚を残すことです。選別対象としては、目先がないもの、よく頭を下げるもの、成長が悪いもの、つまみ(目立つもの)、尾芯の山型の顕著なもの、尾に明らかな皺が入ったもの、後を絞るもの(静止時に開くものや軽いものは除く)、上見で特に容姿均整のとれていないもの(親骨の左右のあるもの、片腹、曲がり等、癖、欠点を表したもの)等を取り除きます。
現在では角鉢(浅めのプラ舟など)にいれ、親まで飼育し品評会クラスを作られる方もいますが、丸鉢の中での泳ぎ方は角鉢では再現できないため(丸鉢では二次元的な泳ぎだけでなく三次元的な泳ぎや泳ぎを止めることもでき、これが土佐錦魚の返しを創るうえで重要なので)親魚になった時の返しの決めは丸鉢で育てた魚のほうが勝ります。尾張りの強い魚ほど、早く尾が出来すぎて体が逆立ちしたり、遊泳に困難が生じたり、海老尾や板前になってダメになりやすいため、早めに仕上がる魚ほど丸鉢でしっかり泳がせ、尾が返した時に負けない強くしなやかな親骨を作るようにします。すなわち、それぞれの個体の尾の状態を見ながら泳ぎを調節してゆくことが重要だと思われます。角鉢飼育だけで飼育する場合は、先ほど述べたような性質から青子から尾張りが良すぎるようなもの、親のミニチュアのような魚は、返しがなかなか仕上がらず海老尾や浅前になる傾向があり、両バネなどの釣り尾になり親魚まで持たないことが多いです。したがって角鉢では尾の開きが控えめで泳ぐ時に親骨に柔らかさがある魚を残していったほうが良いと思われます。
当歳の秋でも180°に開いた尾ではなく、やや控えめで、ゆとりのある開きの尾で肩を下げるような親骨の基礎の出来た平付けの魚が理想と言えます。すなわち、緩やかな親骨が緩やかなカーブを描き、平付けで後は幅があり、丸尾か、角尾であることが大切です。そして、遊泳では、頭を振らずに真っ直ぐに泳ぎ、前ビレを一所懸命使わずとも、尾を少し使い、前進して尾を振るのをやめたときに、鮫のように滑るように泳ぐ魚が理想です。この様な泳ぎ方で、親魚で完成された姿になっていれば最高峰の生きた芸術品といえるでしょう。
金魚の鑑賞は土佐錦魚のような遊泳が得意ではない魚においても古老、名人たちはそのような魚を理想としていたことは興味深いと共に土佐錦魚の奥深さを感じてなりません。

水温30℃以上の場合、餌は与えない方が望ましいです。朝は水温が夜の気温と同じか、濡れた丸鉢や水面から気化熱により放熱されやや下がる場合もあります。しかし、 夏の昼間、日差しが強くエアー等でかき混ぜていない丸鉢などでは表面水温40度以上になることもあり、かなり危険です。 この理由から本場高知の方も昼から夕方までは全く丸鉢に触れません。影のあまりないエアーを入れてない丸鉢の魚は朝、夕方以外は触らないことが大切です。室温を管理したハウス飼育や水温が上がらないように日よけをすれば多少は変わりますが、春~夏編でも言いましたが、真夏は40℃以上の高水温になることもあり注意が必要です。差し水は人により異なりますが1割~3割の新水を少しずつ差します。 これは酸素補給のためでもあります。丸鉢は30リットルぐらいなので夏は必ず毎日全換えして飼育します。角鉢飼育も一般的な金魚と同じですが、基本的には暑さに強い南国の金魚である土佐錦魚と言われても、水質悪化による病気、気泡による尾焼けやエラの捲れの予防のためにも餌やりは、朝から午前中に行うことが望ましく、水温は30℃以下、理想的には水温は真夏でも24~28℃位で与えたいところです。

9月に入り、だんだん秋の気候に変わって来ると、水温の高低差も増してきます。早いものは大体色変わりも終わり8月の中旬ぐらいから色あげや顔と形を作っていくためにも丸鉢、角鉢共に苔を生やしていきます。大きくされる方は苔をあまり当歳でつけない方もいますが、色あがりが良くなり、顔と腹付きなどの相対的なバランスも苔を食べさせることにより整ってくるような気がします。特に丸鉢では水温の高低差もプラスされ昼間の高水温時や夜は無駄に泳がず、魚の姿にもいいと言われています。鰓から腹の肉が出たり、背の後方が盛り上がってきたら餌は切り、苔を食べさせ、腰が延びたなと思えば、魚が座るほど食べさせたりとメリハリをつけて作り上げていきます。名人により様々なやり方があり、全てを説明することは不可能なことですが、容器、日除け、餌やり、水作り、魚作りのやり方や飼育環境などにより様々な変化が生じます。勿論、血筋による成長変化の特徴も踏まえて飼育方法を変えていかなければ名魚作出は難しいでしょう。やはり経験値、血筋、飼育技術や交配組み合わせの運等が必要と思います。

土佐錦魚の飼育方法 春〜夏編

土佐錦魚の飼育方法 秋〜冬編

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